移住者インタビュー

INTERVIEW 移住者インタビュー15

自分らしくカスタマイズする、白河での暮らしと仕事。

富永陽さん

年齢:30代
職業:社会保険労務士(富永人事労務経営)
出身:福島県西郷村
住まい:白河市内

現在、白河でどんなお仕事をされていますか?

富永人事労務経営を設立し、私と妻の2人で経営をしています。
社会保険労務士として、企業・団体の社会保険、就業規則、給与計算、職場トラブルなど、労務に関する相談を受け、法律根拠と実務に基づいたアドバイスをしています。特に、職場トラブルの相談業務が多く、経営者や人事担当の方と直接お話をしながら、改善策のご提案や会社の方向性を決めるお話をすることもあります。

事務所で仕事をする様子

これまではどのようにキャリアを形成されてきたのでしょうか?

最初は社会保険労務士になろうとは思っていませんでした。
もともと祖父が東京・狛江市に社会保険労務士事務所を開き、父も民間企業を経て、その異動先が白河だったこともあり、近くの西郷にて社会保険労務士事務所を設立しました。父はのちに祖父の経営を引き継ぎ、今も西郷の事務所を経営しています。
そのような祖父・父の姿を見つつも、高校生のころはとにかく「地元を離れ、遠くへ行きたい」と思っていました。中学時代に始めたソフトテニスを続けるため、高校は奈良へ、大学では東京へ進学しました。また、海外で働きたいという気持ちが強く、大学時代にフィリピン留学を経て、商社に入社しました。

フィリピンでの語学留学中の様子(ソフトテニスの普及活動もしていた)

入社して3年目のときに、ずっと目標にしていた海外駐在(マレーシア)が決まりました。意気込んで行ったは いいものの、最初は現地での仕事がうまくいきませんでした。自分と現地スタッフとで、文化や価値観が違うため、一方的に指示をしても仕事が進みませんでした。そのとき、まずは相手のことを知ろうと、現地スタッフと会話する中で、それぞれのスタッフが何を大切にしているかに気づくことができました。スタッフたちも、私について知ろうとしてくれ、お互いのコミュニケーションができるようになってから、仕事もうまく進むようになりました。

マレーシアの経験は、現在の社会保険労務士の仕事にとても活きています。法律を守ることだけでなく、会社の経営者・人事担当者の方のそれぞれに大切にしているもの・その気持ちに寄り添いながら、お客様に合った相談・助言を心がけています。

駐在先であるマレーシアでの様子

白河へ移住したきっかけは何でしたか?

マレーシア駐在を経て、大きな気づきがありました。私のやりたいことは、お客様と直接話をして、人間関係を構築しながらサービスを提供することであり、これはどこにいても一緒だなと思っています。学生時代は「遠くへ行きたい」と海外へ行くことを目標にしていましたが、「自分のやりたいことはどこでもできる!」と気持ちが変化したことは大きかったです。
そのタイミングで父と話す機会があり、社会保険労務士の仕事が自分のやってみたいことであると感じ、資格取得のために勉強を始めました。今後、父の事務所を引き継ぐことも考えてはいますが、まずは自分だけでやっていきたいと思い、白河にUターンし 富永人事労務経営を設立しました。

富永さんにとって、白河での働き方はどうですか?

お客様と直接会ってお話できる白河の働き方は、心地よいです。東京の社労士事務所で働いていたころはメールやオンライン通話のやりとりが多く、効率はいいのですが、もっと血の通った会話をしたいと思っていました。直接お客様に会うことで、相手の顔を見て、雑談もしながら、仕事をすることでやりがいをもって働けています。「会いに行かせてくれる」環境が自分にとても合っています。

白河での暮らしの好きなところを教えてください。

果物が安くて美味しい、お洒落なカフェが混雑しない、戸建てに住める、無料の子育て施設が充実している、素敵だなと思う方に割と気軽に会いやすい、など沢山挙げてしまいますが、僕にとっては大切で都会に住んでいるとなかなか手に入りづらいものが、ここでは当たり前のようにあることが好きなところですね。特に果物狩りはその年によって旬が微妙に異なるので、年中果物狩りのことばっかり考えています (笑)。それでも都会の街並みや昔の友人が恋しくなることも結構あるので、東京へのアクセスがとても良いところも気に入っています 。

毎年恒例の家族との桃狩りの様子

白河での暮らしで「もっとこうなったらいいなぁ」と感じる部分はありますか?

白河はとても住みやすい町だと感じています。一方で、地域独自の繋がりの強さや仕事と生活の線引きの曖昧さが、時に重たく感じてしまうこともあります。また、どの地域も必ず人口は減少していきますし、それに伴い人も商売も減っていく中で、自分の気持ちやアンテナは外に向けて、情報収集し続けることも大切かなと考えています。そういった意味では、白河に心地よく住みながら、もっと外にも目を向けていくような、新しい考え方や価値観を真に楽しめるような、そんな雰囲気が街に溢れてくるといいなと思っています。

白河での生活を楽しくするためのヒントを教えてください。

「自分でカスタマイズして住む」という気持ちを大切にしています。なんでも選べる時代になったからこそ、しっかり自分で選ぶ、断ることは断る、そうやって、手触り感のある白河の暮らしを楽しくできるのではと考えています。
住んでいるから/仕事をしているから、この地域に根ざさないといけないわけではない、「住みたいから住む」というシンプルな気持ちが一番重要かなと思います。

インタビューをさせていただいたコミュニティ・カフェEMANONにて

移住者インタビュー一覧はこちら
gotop
お問い合わせ