移住者インタビュー
INTERVIEW 移住者インタビュー01
「ほどよい距離感」という選び方
久野 宏さん
移住時期:2020年
年齢:40代
職業:フリーランスのウェブディレクターと地域おこし協力隊の複業
出身:東京都
住まい:白河地域(市内中心部)
——移住生活をはじめるきっかけは?
僕は子どもの頃からアトピーに悩まされていました。症状の改善に日常生活で使用する水や空気が重要なことを経験則から感じていたため、地方へ移住できたらという希望を以前から漠然と抱いていました。
2017年夏に独立し、働く場所を問わない業務でもあったので、地方への移住・二拠点生活を考えるように。最終的に二拠点生活ではなく、移住という決断に至ったのは、2020年初頭に新型コロナウイルスが発生し、首都圏との往来が当面難しいだろうと考えたためです。
——どうして白河市を選んだんですか?
移住地を決定するにあたり、独立後にさまざまな地域をめぐりました。
候補地選定のポイントは、新幹線での東京へのアクセスが容易なこと。そして、高速道路でも2時間前後で東京へアクセスできるという「ほどよい距離感」です。最終的に、候補地を関東近県の3つに絞り込み、実際にそれぞれの地域でお試し移住をした結果、白河を選択することになりました。
白河を選んだ大きな理由は、水や空気のきれいさはもちろんですが、地域の方々との「ほどよい距離感」です。お試し移住した際には歓迎会を開催してくれたり、「新そば祭り」など地域の名物イベントへお誘い頂いたりもしました。また、移住前にも関わらず、地域の方々との橋渡しをしていただくことも。一方で、「地方あるある」として懸念していた、イベントへの参加を強制するといったことはありませんでした。地域との関係性が近すぎず、かといって全く希薄でもない。この点を実感できたことが最終的な決め手となりました。また、東京のみならず、福島県全域、さらには東北全般への交通アクセスも抜群によい点も、大きなポイントです。
——実際に白河市で暮らしてみてどうですか?
白河市街地に住んでいることもあり、日常生活の利便性は東京で暮らしているのとほとんど変わりません。
また、これまでの業務スキルやネットワークなどを活用して、地域経済活性化に貢献していきたいという想いもあったため、地域おこし協力隊との「複業」を選択しました。
2020年はコロナ禍だったこともあり、協力隊としての活動は大きく制約され、当初の計画を遂行することはできませんでした。しかし、地域の方々の協力を得ながら「いなかラウンジ」というイベントを開催するなど、できる範囲内で当初の計画に準じた活動を立ち上げました。今後も当面、新型コロナウイルスの影響が続くと見込まれる中で、どのような活動で地域に貢献していくべきかを模索しているところです。
——将来のビジョンは?
モノづくりや仕組みづくりを通じ、地方に点在する潜在的な資産に新たな価値を付加することに関心があります。白河だけにとどまらず、福島県・東北地方の「いいモノ」を首都圏だけでなく、海外に向けても発信していけたらと思っています。
そのための拠点としても、この白河市という街の持つ「ほどよい距離感」に大きな魅力を感じています。