移住者インタビュー

INTERVIEW 移住者インタビュー14

白河の魅力は、「人に会って」わかる。白河市でリモートワークする地域創生プレイヤー

芳賀有貴哉さん

年齢:30代
職業:地域創生(一般社団法人dialouge)
出身:福島県南郷村(南会津町)
住まい:白河市内

今の白河での生活に至るまで、どのようにキャリアを形成されてきたのでしょうか?

 白河市には、妻の出身地だったのがきっかけで移住してきました。もともとは福島県南郷村出身で、高校卒業後、関東の大学に進学し、その後は音楽やスノーボードのインストラクターをやりながら、夢だった海外生活を始めようと任期付きの日本大使館にあるポストに応募して無事合格。2年間、アフリカ・ガーナで暮らしました。初めての海外生活でしたが、適応力と柔軟性はそこそこある方なのですぐに慣れ、楽しく生活できた2年間でしたね。

アフリカ・ガーナでの様子

2年後に、日本に戻られたんですね。どのような経緯で今の地域創生の仕事をスタートしたのですか?

 僕、結構地元愛は強い方だと思っていて。いずれ日本に帰って何かやろうというのが頭の中にずっとあり、地域創生に関わる仕事がしたいと思っていました。そんな中、ちょうど日本に帰るタイミングでいろんなご縁をいただき、会津で面白い活動をしている人たちにたくさんお会いしたんです。その中で知り合ったのが、今働いている一般社団法人dialogue(ダイアログ)の創設メンバーたちでした。

ダイアログでは、実際にどのような活動をされているのですか?

 たとえば、熊本県とくまもとDMC、そして九州の環境省事務所と4社で連携し、「ワーケーション」を切り口に、自治体職員や事業者を対象にしたセミナーを開催。ワーケーションで何ができるか、何をしたいかを具体化しつつ、そこに向けて各地域の資源を使ったプログラムデザインやモニタリングをしてきました(例えば、椿油が名産の地域で椿の種拾いをプログラム化するなど)。
 あとは、宮古島でのサステナブルツーリズムの推進をしたり、福島県相馬市の相馬中村藩34代目当主がやっている相馬救援隊というNPOとの協力を通じて馬のセカンドキャリアの構築をしたりなど、日本全国、それぞれの地域固有の課題に対する取り組みを行っています。

 ダイアログの活動以外にも、地元の南会津町では、関係人口としてコロナ禍で途絶えていた地元のお祭りを復活させようと地元の仲間たちと盆踊り大会を開催しました。人が自分が暮らす場所について考えるとき、そこに紐づいているのはその土地や空間よりも、コミュニティや人なのではないかと思っています。お祭りって地域のコミュニティづくりにすごく大事なんですよね。

ダイアログメンバーとの写真

白河でも何か活動されていますか?

 少しずつ、白河とも関わりが広がっています。移住当初は、仕事もリモートワークで他の地域のことに取り組んでいたので、なかなか人に出会う機会がないのが悩みでした。しかし、いろんな地域の活動をして「地域を良くしたい」と言いつつ、実際に自分が住んでる白河に対しては動けていなかったので、何かやりたいとずっと思っていたんです。あるとき白河市が開催していたワークショップに顔を出し始めると、解決すべき課題に気づき、参加している他の住民の方とも繋がるようになってきたんです。

 最近では、そうした場所で出会った人たちと一緒にアイデアを交わすことで、市内の谷津田川で「やんたがわチルコーヒー」という活動が始まりました。毎月一回、来訪者が自ら生豆を焙煎して、挽いてコーヒーを淹れて、川沿いでのんびり過ごしてもらい、街について知ってもらう活動です。

 今ではこうした活動やご縁が白河で少しずつ生まれていて、ダイアログを通じて得た、他の地域の活動で学んだ経験や知見、繋がりを活かしながら、自分の周りをどう変えていけるか、アイデアを出しながら試行錯誤しています。

やんたがわチルコーヒーの活動の様子

芳賀さんにとって白河での働き方はどうですか?

 個人的には満足しています。基本的に市内に新しくできたサテライトオフィス&コワーキングスペース「La’CRÉATION plus」で作業しています。実は今日、午前中、仕事の前に白河市から車で1時間半の南郷スキー場でスノボにも行ってきました。

白河での働き方で「もっとこうなったらいいなぁ」と感じる部分はありますか?

 今後は、よりこうしたサテライトオフィス&コワーキングスペースなどが活用され、新しい仕事が生まれることが大切だと思っています。働き方が多様になるって、すごくいいことですが、ここでデスクワークするのと、例えば農業のような土を触る仕事とは、必要なスキルが全然違いますよね。だけど、その違うスキルを上手く組み合わせることが、今、とても重要になってきていると思うんです。いろんなスキルを持った人が集まり、こうした場所を運営する側としても、外からのニーズに応えるためのサービスを提供していくことが、白河市の「手の届かないかゆいところ」を解決する鍵になるのではと思っています。

リモートワークにとって大事なのは、電源、wi-fi、おいしいコーヒーの3つ。ラ・クリエーションプラスで作業する芳賀さん

白河での暮らしの好きなところを教えてください。

 白河市の暮らしへの「好き」という気持ちが自分の中でしっかりと根を下ろしていくのは、対話ができる人がいたり、具体的な形になる活動があるからだと思っています。最近では、「チルコーヒー」とマルシェを組み合わせたようなイベントも広がりを見せていて、とてもいい雰囲気になっていたり、コミュニティ・カフェEMANON(エマノン)がやっている、白河の高校生が自分たちのやりたいプロジェクトを発表する「マイプロジェクト」にも関わらせてもらい、高校生と対話する機会もあったりと、いろんな人と対話の機会が増えていて嬉しいです。

マイプロジェクト白河Summitにて高校生・大学生との対話

最後に、白河での生活を楽しくするためのヒントを教えてください。

 ぜひ白河の街を歩いてほしいです。僕、白河駅周辺、いわゆる旧市街地である天神町や中町あたりを歩くのが好きなんです。歩いていると、昔の人たちの日常が残る町並みがありますし、歩くと気持ちのいい谷津田川もあり、いろんなものが見えてきます。蕎麦屋「くいもんや 暖」のそばサラダもおすすめです。また、白河はラーメンが有名ですが、あずま食堂や、かこい食堂、月の家のラーメンも美味しいです。まとめると、「人に会え・歩け・ラーメンを食え」ですね。

 白河には、情熱を持って活動している人が本当にたくさんいます。そういう人たちと出会い、彼らというフィルターを通してこの街を見る。そうすると、どんどん魅力が増していきます。

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