移住者インタビュー

【令和6年度~特別編Vol.1~】

白河市移住体験ツアーレポート【令和6年度~特別編Vol.1~】

白河市移住体験ツアーレポート

2024年11月。冬の訪れとともに、1泊2日の白河市移住体験ツアーを開催しました。
ツアーテーマは「まちと私のプロジェクトに出会う」。
観光ではなく、白河市で生まれているプロジェクトを通じてまちを知り、参加者自身の「やってみたい」や「気になる」を探ることを目的に実施しました。

白河市への移住を考えている方や、地域づくりに関心のある大学生や社会人の計6名に参加いただき、まちの魅力に触れながらツアーの模様をお届けします!

【ツアー1日目】  白河ラーメンで交流スタート

名物の「白河ラーメン」を食す体験からスタート。訪れたのは、地元で人気のラーメン店「芭蕉亭(ばしょうてい)」です。手打ちの太縮れ麺と特製スープが絶品の白河ラーメンを味わいながら、参加者同士で自己紹介を行いました。
参加理由はさまざまで、将来白河に住みたい方や地域づくりに関心がある方など、それぞれの想いを伺うことができました。

地域と福祉をつなぐ「優樹福祉会(ゆうじゅふくしかい)」の取り組み

昼食後は、白河で行われている地域プロジェクトを知る時間。訪れたのは、社会福祉法人「優樹福祉会(ゆうじゅふくしかい)」。発達に課題を抱える子どもたちの支援を行う施設「地域生活サポートセンター サニーデイ」でお話を伺いました。
現在取り組んでいる 「みんなのまちプロジェクト」は、地域に開かれた新しい福祉施設を目指し、カフェや工房・共有広場を備えた多機能な場を計画しているとのこと。今回のツアー参加者のような、多様な視点やスキルを持つ人々の関わりが求められていることを知りました。関わる人が増えることで、地域と福祉の新たなつながりが生まれ、より開かれたコミュニティへと広がることが期待されています。

施設見学後は、子どもたちと一緒に クリスマスツリーの飾り付けなどを体験。手話で会話をする場面もあり、言葉を越えて心が通じ合うような場面も生まれました。帰り際には、子どもたちから 「もう帰っちゃうの?」「また来てね!」 という声も。
「地域に開かれた福祉」の大切さを、実際の体験を通じて学ぶ時間となりました。

高校生と地域をつなぐ「EMANON」と「うずうず」

次に訪れたのは、高校生びいきの古民家カフェ 「コミュニティ・カフェ EMANON(エマノン)」。
EMANONを運営する(一社)未来の準備室・代表の青砥和希さんから、活動内容や理念についてお話を伺いました。高校生と地域の大人をつなぐ ボランティアマッチングプラットフォーム「うずうず」 の発展版である「大人うずうず」についての説明を受け、参加者からは「一度見学してみたい」「自分の得意分野で関わってみたい」といった声が上がり、関心の高さが伺えました。

「カフェ本町Q番地」でマイプロジェクトを描く

地域の取り組みに触れた後は、自分自身の「やりたいこと」に向き合う時間へ。
地元住民+移住者+県内外の参加者が交流しながら学びあうイベント「カフェ本町Q番地」に参加しました。
合計14名の参加者が、ワークシートを活用しながら「やりたいこと」や「困りごと」 を整理。それを基に自分の「マイプロジェクト(マイプロ)」 を考えていきました。

グループ内でマイプロの理由や背景を共有する中で、「実は自分も」と想いを語り合う場面も。参加者同士が 「仲間」 のような関係を築き、居住している地域を越えて学び合いと支え合いの光景が広がっていました。

辺見設計での夕食交流会

1日目の締めくくりは、白河市田町にある建築設計事務所「辺見設計(へんみせっけい)」にて夕食交流会を開催。かつて政府指定の備蓄米倉庫だった築110年以上の米蔵を改築したこの空間は、木の温もりを感じられる居心地良い場所です。

食事を囲みながら、参加者同士や地域の方々と交流を深めました。辺見設計の辺見美津男さん、邉見啓明さんからは、福祉施設や教育施設に対する想い、建築を通じて地域とのつながりを生む取り組みについてお話を伺いました。昼間に見学した優樹福祉会「みんなのまちプロジェクト」にも協働されており、建築設計にとどまらず、地域コミュニティの視点からまちの未来を支える役割を果たしていることを実感する機会となりました。

初日の振り返りでは、「地域の方々が自然に受け入れてくれたことが嬉しかった」「地元の人たちの熱い想いに触れ、自分も何か関わりたいと思った」「福祉やまちづくりについて新しい視点が得られた」といった感想が次々と共有されました。
学びや発見が詰まった1日を終え、参加者それぞれが新たなつながりと気づきを得た充実した初日となりました。

【ツアー2日目】  廃校となった大屋小学校でのプロジェクト

ツアー2日目は、白河市の大信地区へ。
最初に訪れたのは、2022年に廃校となった大屋小学校。白河市でも、少子化によって廃校となる学校が増えていますが、そうしたなかでも地域の資源として活用しようとする動きがあります。「廃校を地域の資源としてどのようにいかせるか?」を考えながら、校内を見学しました。

参加者からは、アートイベントやギャラリー、映画の撮影スポット、地域の食堂、自由研究の拠点、部活動の合宿所など、多様なアイデアが生まれました。また、すでに実践されている活用例として、プールを利用した鯉釣りを体験。釣り好きな地域の方の発想から生まれた取り組みで、「好き」や「得意」が地域の新たな魅力につながる可能性を感じる時間となり、地域の課題と自分のやってみたいことを掛け合わせる視点が大切だという気づきがありました。

移住希望者へ向けたお試し住宅と案内マップ

続いて訪れたのは、大信の日篭(ひろう)地区にある移住希望者向けのお試し住宅。
移住や二拠点居住を検討する方が白河での暮らしを体験できる住まいです。自然に囲まれた落ち着いた環境に、参加者からは「田舎のゆったりした雰囲気が心地よい」「次はここに泊まってみたい」との声が上がりました。

また、お試し住宅の周辺を案内してくれたのは、大信地区の魅力案内マップを制作している高校生。彼は、お試し住宅を管理する(一社)ONBAJOB(オンバジョブ)代表・金沢さんとの出会いをきっかけに、「大信を訪れる人にもっと地域のことを知ってほしい」との思いから地図作りを始めたそうです。高校生による地域の魅力を伝える取り組みに、参加者も関心を寄せていました。

様々なアクティビティを体験!聖ヶ岩ビジターセンター

ツアーの最後に訪れたのは、聖ヶ岩(ひじりがいわ)ふるさとの森ビジターセンター。白河市内最高峰の権太倉山(ごんたくらやま)の拠点であり、清流・隈戸川(くまとがわ)が流れるこのエリアは、聖ヶ岩や不動滝といった景勝地に囲まれた自然豊かな場所です。ビジターセンターには、クライミングやキャンプ場などがあり、アウトドアを満喫できる環境が整っています。
参加者は、施設内にあるボルダリングに挑戦したり、不動滝を訪れたりと有意義な時間を過ごし、自然に囲まれながら心身ともにリフレッシュするひとときとなりました。

アクティビティの後は、お楽しみの昼食タイム。ビジターセンターを管理する金沢さん(ご主人)と(一社)ONBAJOBの金沢さん(奥様)ご夫婦が、大信の食材をふんだんに使った特製ランチを振る舞ってくれました。地元の食材のおいしさに、心もお腹も満たされる時間となりました。

ツアーをふりかえって

ツアーの最後は、2日間の学びや気づきを共有するふりかえりのワークショップを行いました。「観光ではなく、地域の一員として過ごせた」「白河の魅力を発見できた」といった声が上がりました。また、「みんながまちを良くしようとするエネルギーを感じた」「どんな場面でも『みんな』に開かれている雰囲気があった」と、地域の温かさに触れた参加者もいました。
更に、都会からの参加者からは、「身近に自然がある暮らしが心地よかった」といった感想もあり、移住を考える上で、環境の違いを実感する機会にもなったようです。

今回のツアーのテーマは、「まちと私のプロジェクトに出会う」。地域のプロジェクトや人々と出会い、そこで感じたことを自分の「好き」や「得意」と重ね合わせることで、地域との関わり方を考える時間となりました。福祉施設のプロジェクトや廃校活用、高校生のまちづくり活動など、それぞれの場面で「自分ならどう関われるか?」という視点が生まれました。
「やってみたいこと」と地域のニーズが交わるところに、新しい暮らし方や関わり方の可能性が広がるのかもしれません。ツアーを通じて得た気づきが、移住や地域との関わり方を考えるきっかけとなれば嬉しいです。

 「また白河に来たい」「いつか戻ってきたい」。そんな思いとともに、ツアーは幕を閉じました。

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